より複雑化が進む周辺環境の中で。

ボタンの掛け違い、タイミングのズレ、重大な選択、分岐点の先でその影響が大きくなりつつある。選択が生み出すヒズミを超えてデカくなれるか?強くなれるか?、一般的にはそうとは限らない、こんな矛盾を押し付けられたら俺なら軽ーくクジケちゃうね、ひとたまりも無い。だがタケフサは強くあり続けないといけないのだろう。タケフサの心境は誰にも理解できないが、ここまで孤立化の進行が速いとは見てるこっちの心に隙間風がびゅーびゅー吹く気分、あっけにとられる展開だ。

かつてタケフサがお世話になったバルサのアカデミー、幼少の頃に国境を越えてバルサカンテラ入りしたメッシはその意味ではタケフサの数少ない先輩だ、だが2人の進路の方向は大きく違ってしまった、そのメッシは高額な治療費をバルサが出してくれたからサッカー生命が絶たれずに済んだ、仮に少年時代バルサカンテラに縁無くアルゼンチンに居たら治療が受けられ無かった可能性があり、そうなると今のメッシは存在しなかった、バルサはメッシにとって「サッカー選手としての命」を救ってくれた恩人でもある、そうで無くても、バルサカンテラは選手の家庭に負担をかけないようにしてるらしい。

それじゃタケフサがバルサカンテラ在籍時、色んな経費は誰が出しのか、報道によればカタルーニャ地方はスペインでも指導ライセンスが高レベルらしい、それは世界最高クラスであることを示す、だがそのカンテラの受講費用は無料らしく、送り迎えのバスも無料だとか、その他のタケフサや家族の食費、住居費、光熱費、医療費、教育費、車も必要でしょうね、スペイン生活の諸費用は誰が出したんだろう。

世界最高峰のカンテラの育成費は無料、すなわちバルサの全負担、滞在費は?FIFAだかUEFAの規定を潜り抜けるためにバルサもレアルもカンテラの外国の子は親が仕事でスペインに来てるという形に無理やりするらしいが、タケフサは日本でのセレクション?のMVPであるという事実があり、規約逃れの言い訳が通じずNGだったのかも知れない、そもそもタケフサはそのセレクション?があったからカンテラに入れた、これはしゃーない。

ここで規約回避のカラクリを考えると、まずスカウティングで有望な少年を見つける、それがEU圏外である場合は規定があるから獲得NGとなるが、絶対欲しいんだもん、となる、そこでまず親御さんをスペインに連れてきて仕事を与える、スペインで仕事をしている外国人の息子という形を作ってから獲得すると規定をすり抜ける事が出来るのだと思われる。

この規定逃れの手順のために、レアルもバルサカンテラの外国人の少年たちの親御さんに何かしら名目上の仕事をあてがって居るわけだけど、だが親御さんは言葉が出来ない場合も多いだろう、実質的に仕事が出来る人が居れば、出来ない人も居るだろう。中身があるにせよ無いにせよ、名目上とはいえ仕事をあてがえば給与が発生する、その名目上の給与をどうとらえるか。その給与は親御さんの仕事内容を基準にしない、当然カンテラの外国人少年と家族の生活に不自由が無い金額を基準にする必要があるし実際そうしないと意味が無い、給与の実態はカンテラ経費の性格を強く持ち金額も少なくないものになるだろう。

サッカー人としてのタケフサの親、壱に身内ピーポー、弐にバルサ、参に日本サッカー界。

人間としてのタケフサの親、壱にも弐にも身内ピーポーだけと思いきや、実はバルサにも結構世話になってるぽいね、家族ぐるみでお世話になったくさいな。

バルサ視点。
バルサが負担した諸費用やリソースはカンテラの「久保建英」に与えた給与や待遇だと拡大解釈するのは無理がある、バルサにとってアカデミーはそれだけでは利益を産まない「経費」でしかない事は容易に想像がつく、バルサは「久保建英」にいくら注ぎ込んだのか、失敗もあるからこそ成功例(成功はトップデビューだけではない)をレアルに盗まれたのはとんでもない痛手だ、成功例の陰には何倍もの失敗が隠れている、「久保建英」と言うひとつの成功例を生み出すために要した経費と人的資源や機会的資源、注ぎ込んだリソースは「久保建英」個人に投入したそれより何倍も大きいはず、バルサにトップとBの中間的な受け皿が無いのは問題かも知れないし、それ以上にカンテラの選手を外部に出す時の出し方が問題かも知れない、「久保建英」のケ-スは特殊とはいえ、バルサカンテラ側の収穫システムにも問題があるような気がしている。クライフとバルサジョブズとアップルに似ているけど、優れたビジョンだけで無くそれを具現化出来る集団は思う程多くない、そのビジョンは理想主義的でもあるが、それを現実に耐えうる形に実用化することは偉大なグッジョブのカタマリだ、両者の違いはバルサはオープンアーキテクチャ的であり、アップルはクローズドアーキテクチャであるが意図に反して盗まれたところだ、アップルに比べてバルサはオープンであり、革新的だけでなく布教的でもある印象を受ける、だがそれ故にバルサはサッカー界に対して過剰にアガペー的ではなかったのか、少しお人よしに過ぎるのでは無いのか、今回の「久保建英」のケースのようにバルサに対して忠誠心が無いカンテラーノは地元出身では考えられ無かっただろう、だが今回外国人から「久保建英」のような選手が出てしまった、再発予防策を考える必要はあるし、外人に対して性善説が通用しない事を痛感しただろう、セレクションのMVPをカンテラに加入させることは規定を逃れる点で致命的不利であるだけでなく、セレクションMVP獲得によって生まれる選手本人の権利意識がクラブへの忠誠心を育てる点で障害になる事も今後考慮に入れるべきだろう、名目上とは言え選手の生活費を親族の給料と言う形で支給する事もクラブへの忠誠心を育てる点で障害となりうる、カンテラの外人選手に対してどう対処するのか再検討が必要なのだと思う、かつて日本の少年達に大きな夢を与えたバルサのプロジェクトがバルサ自身にとって最悪なエンディングを迎えた事は残念でしかない。そのバルサのプロジェクトが生み出したタレントは日本サッカーにおいて唯一無二であり、今日本のサッカー業界にフィーバーを巻き起こしている、レアルは横取りした「久保建英」を世界にお披露目しバルサに対するひとつの勝利を誇示している、バルサ自身のプロジェクトが生み出したタレントにバルサだけが煮え湯を飲まされた、カンテラと言うものはトップの選手育成だけで無く、広くとらえればバルサコネクションを有するサッカー人の育成でもあるだろう、プロ選手になる場合も多いだろうけどそれだけじゃない、もっと広くて長い視野での人材育成であるとも考えうる、「久保建英」はレアル移籍によりその点でもバルサの長期プロジェクトを失敗に追い込んだ。今すぐにトップに上がれなくても、1年後にトップに上げてくれなくても、他のクラブを経由して将来バルサ入りする可能性は残ってたし、バルサBに行かなくても友好関係は維持できた、バルサがレアルより有利な条件を提示しなかった事はレアルに加入してバルサとの関係を破壊する理由にはならない。

普通ならここで終わりだけど、おとなしく終わるわけにもいかないだろう。ここから何が出来るのか考えていくしか無い。