セルジオ VS 乾岡崎香川&キッズ 連合軍

香川の移籍問題には非常にヘビーな問題が隠れている。セルジーが苦言を呈しても不思議ではない。

香川の移籍に関しては「遅いぐらい」とセルジーは言っている、「遅い」とは言ってない、そこのニュアンスがわからないといけない。セルジーは移籍を肯定し、香川の対処の遅れを理解しつつも、先手を打つ決断の必要性を指摘しているのだ。

なぜ?考えが浅い人はそう思うだろう。なぜなら香川はロシアW杯で活躍し、その後クラブでは怪我で離脱していた、その後にトコトン干された、そして冬の移籍市場で移籍した。流れはごく普通であるように見える、だが問題は流れではなく中身なのだ。

そこには複数の要素があると考える、ドルトムントの思想と香川自身の負荷の問題だ。そこの認識がまだまだ足りないのでは無いか?、と言うこと。

ドルトムントの思想と計画の中身に対する疑念。
ドルトムントにはどうも不可解さを抱く、一種の生え抜き主義、ドイツ人純血主義を疑って居る、良く言えばカンテラから一貫した家族的集団、疑わしい条件は「純粋系ドイツ人(非トルコ系)」、そして「生え抜き」であること、この2つを併せ持つ人材を構想の軸とし、それ以外の選手とはハッキリと線を引いているように思う、もちろん悪く言うとその条件に当てはまる選手をエコヒイキする事になる。違う言い方をするとドルトムントの計画、低迷期からクロップを監督に据えて躍進した、それは彼らのプロジェクトの成功だが、彼らのプロジェクトの理想像はどうだったか?、彼ら(ヴァッケ?)のビジョンの中身がどうだったか?、その中心にゲッツェが居たのではないのか?将来のクラブ像、そのイメージの中心には生え抜きの純血集団が居たのではないのか?低迷の中から躍進を目指した時期に描いた将来の理想像、香川はドルトムントの選手の中でもその「計画の純血集団」と仲が良い、関係が深いせいで自分もその中のひとりだと錯覚していないか、それは誰かにとっての計算違いでは無かったのか?、躍進の中心に居るはずだった男は誰だったのだろう?、計画は想定より早く成功したのでは無いのか?サッカー後進国から来た無名な香川がアレほど活躍するなんて、ミスリンタート以外に誰が予想したのか?、計画の成功は早く来てしまったのでは無いのか?一時的な代役が主役になりマンUに去ったが、主役になるはずだった本命は迷走した、今シーズン前半、彼らは計画を実現出来ただろうか?、香川をベンチ外に追い出してスタメンにはゲッツェが居た。それがヴァッケの計画ならレリゴーさせておくしか無い。いくら香川が純血集団と仲が良くてもヴァッケから見たらどこまで行こうが外様は外様なのでは無いのか?、トゥヘル解任もヴァッケの純血生え抜き主義との衝突が真相では無いのか。香川にとってドルトムントは大切なホームだと思う、だが反対はどうだろう?ドルトムントにとって香川はどんな存在だろう、線を引かれてしまっている、そう思う、だがドルトムントで出会った人々は香川のホームであり続ける、それは香川の大きな宝だ。

香川本人の問題。
三十路、A代表、5輪代表、5大リーグ(スペインにこだわり有り)、そしてCL。全部を求め過ぎてハードルが高くなり、それが同時に香川自身の潜在的な市場価値を下げているんじゃないのか、敬遠されてないか、不利になってないか。ちゃんとそれを自覚してるだろうか、大迫酷使が問題になったけど、内田酷使も昔言われてた、その後内田がどうなったか、賢いクラブほど知っている、日本代表の負担の大きさに気付いている筈だ。そこらへんの認識がちゃんと出来ているかという懸念がある。何を選ぶべきか?それはわからない、選ばないといけない時がいつ来るのか?それもわからない、最後は香川本人が判断するしか無いのだ。

つづく